第3010回の卓話を担当させていただきます、三井不動産株式会社柏の葉街づくり推進部草野晃です。
私は三井不動産には中途で入社しておりまして、その前は、テレビ局に勤務しておりました。本日は自己紹介を兼ねて、前半ではテレビ局での経験とそこからの学びについて、後半では当社が参画している神宮外苑プロジェクトについてお話をさせていただければと思います。
テレビ局で心に残っている経験は、報道局時代のものです。日常経験できないような取材ができたこともありますが、一番印象的な取材は、薬物中毒から立ち直ろうと、ダルクという施設で共同生活を営んでいた方々にお話を聞いた経験です。比較的中毒性の低い薬物から、だんだん刺激を求めて、覚せい剤などより中毒性の高い薬物に手を出してしまう方が多く、そこまで行ってしまうと自分の力だけで完全に止めることは非常に困難、ということを知りました。
最近日本でも「大麻なら認めてもいいのでは」というようなことをおっしゃる方が増えているように感じますが、個人的にこれは危険な風潮だと考えています。 次に、当社が参画する神宮外苑プロジェクトについてお話させてください。最近、一部から誤解を生むような発信がなされ、当社がお叱りを受ける場面もございます。事実に即したご批判は真摯に受け止め、開発に活かしていかなければならないと考えておりますが、よく話題となる「みどり」に関わる点について、ご説明をさせていただければと思います。
まず、4列のいちょう並木ですが、これは1本も切りません。よく「いちょう並木を切って建物を建てる」と理解されている方がいるのですが、これは事実ではないことをお伝えしたいと思います。
次に樹木の数です。開発に伴い743本の樹木を伐採することは確かです。ただし、それを上回る植樹等を行い、樹木の総数は1904本から1998本に増やす計画となっています。また、どなたにも入ってご利用いただけるオープンスペースも増やします。
メディアと一般的な企業両方で仕事をした経験から、企業側の報道に対するリスクマネジメントがより重要な時代になったと感じます。今は様々な発信ツールがありますので、不測の事態の際に、「報道される」だけではなく、企業側からも積極的に発信していくことが必要だと考えております。本日のお話は以上です。ご清聴ありがとうございました。
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