【3013号】卓話 2024.02.14

「奉仕の理念を育みロータリーを楽しもう」

国際ロータリー2790地区ガバナーノミニー 時田清次 様

 こんにちは。市原中央RC時田清次と申します。本日はこのような時間をいただきありがとうございました。
 2025-26年度ガバナーとして思うところをお話させていただきます。ロータリーの目的は(RI定款第3条、標準RC定款第5条) 、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励しこれを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。
 1.知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること。職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事は全て価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること。ロータリアン一人一人が、個人として、また事業及び社会生活において日々、奉仕の理念を実施すること。奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的なネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。
 RI の『公式名簿』(Official Directory)巻末に記されていたチェスリー・ペリーの言葉「全世界のロータリークラブは一つの基本理念 ―『奉仕の理念』を持っている。それは他人のことを思いやり、他人の助けになることである。(Rotary clubs everywhere have one basic ideal ― the"Ideal of Service", which is thoughtfulness of and helpfulness to others.)」が「奉仕の理念」の意味を示した唯一の記述とされていました。
 「社会奉仕に関する1923年の声明」
 1.ロータリーは、基本的には、一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務およびこれに伴う他人のために奉仕したいという感情とのあいだに常に存在する矛盾を和らげようとするものである。この哲学は奉仕―「超我の奉仕」―の哲学であり、これは、「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」という実践的な倫理原則に基づくものである。(ロータリー章典 8.040.1)
 1935年にRIが出版したポールハリスの著書「THIS ROTARIAN AGE」の奉仕の理想の意味の記述には「物の過程の最初に奉仕を置くものである。換言すれば奉仕の理想を標榜する者は受けるべき物質においてではなく、まず与えるべき奉仕に着眼すべきである。」23-34声明の内容を説明したものと思われる。
 奉仕の理念を育むこととは、ロータリアン一人一人が職業を通し、また日常生活において、高い倫理観を持って、「人に思いやりを持ち、人の役に立つことを実践すること」である。そして、相手のために最善のサービスをすれば、結果として精神的満足又は物理的利益が得られる。日々学び、自己研鑽していくことが「人生哲学」につながるものと考えます。ロータリーは一つの人生哲学である。
 「ロータリーの楽しもう」とは何か?佐藤千寿さんの人造りロータリーからの引用で、ポールハリスがロータリーを作った動機を聞かれ「ただ淋しかっただけだ」と答えたのは有名な話です。ロータリーを楽しむためには先ず一人でも二人でも友達の輪を拡げることから始める必要があります。
 人間は「人の間」と書かれるように、人と人との間柄において存在する者であって、厳密な意味で一人だけの人間は存在ありえないということになります。私があって貴方あり、貴方があって私がある。この節理が奉仕の出発点になります。  「ロータリーを楽しもう」Enjoy Rotaryは1989年から90年度国際ロータリー会長ヒュー・アーチャーのテーマでした。アーチャー会長は「見知らぬ他人の為に自分の時間と能力を捧げて、その人の生活を改善向上させてあげること、自分自身のほうが人間的に大きく成長するのが分かります。他人の尊厳を保つこと、それは我々自身の尊厳を高めることになります。」と言っています。
 第1に友人の輪が広がること、それを出発点として、自他一如の人間成長すること。が「ロータリーを楽しもう」の意味合いとなります。
 2023年10月国際ロータリーの決定事項はロータリーの友1月号に記載されています。 「2025-26年度から、会長の年次テーマとロゴの作成を廃止することに同意しました。
 コミュニケーション委員会と戦略計画委員会が提案し、理事会が承認した、2025-26年度からの複数年にわたる行動計画を軸とした会長メッセージの枠組みを承認しました。
 2024-25年度からクラブ、地区、ゾーンレベルの3年間の段階的なターゲットと、3年間の段階的な地域計画を設定するプロセスを承認しました。」
 2024-25年度RI会長&戦略計画委員会元委員長ステファニーAアーチック)は、「この計画はロータリーの伝統や価値観を払しょくしようとするものではありません。その目的は、組織を強化することでロータリーの価値観を今後もずっと守ること、効果的な方策を用いることであらゆるレベルで組織強化すること、ロータリーに参加するすべての人が有意義で価値ある経験ができるようにすること、そして大勢の人の暮らしと地域社会をより良くすることです。」
 MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)によるロータリーの戦略計画を解いてみると、使命(Mission)を達成するためのビジョンであり、ビジョンという目標を達成するための行動計画となります。
 「国際ロータリーの使命(Mission of Rotary International)」
 国際ロータリーの使命は、職業人と地域社会のリーダーのネットワークを通じて、人々に奉仕し、高潔さを奨励し、世界理解、親善、平和を推進することである。(ロータリー章典26.010.1)
 ビジョン声明Rotary‘s new vision statement(2017年6月理事会)今後5年間のロータリーの活動指針となる。(2024年まで) 私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人々が手を取り合って行動する世界を目指しています。
 ロータリーの行動計画の4つの優先事項は、1.より大きなインパクトをもたらす。2.参加者の基盤を広げる。3.参加者の積極的なかかわりを促す。4.適応力を高める。2024年までのロータリーの行動計画となります。
 2024-25年度の国際ロータリーとロータリー財団の年次目標を以下の通り採択しました。
 『優先事項1 「より大きなインパクトをもたらす」の目標』 1.ポリオを根絶し、ロータリーの役割を強調し、ポリオのない世界のための計画を立てる。2.ロータリー財団への寄付全般を増やし、2025 年までに20億2,500万ドルの恒久基金を築く。3.クラブ、地区、国際レベルで、地域社会の調査およびプロジェクトとプログラムの測定を奨励する。
 『優先事項2 「参加者の基盤を広げる」の目標』 4. クラブとロータリーファミリーの多様性、公平さ、インクルージョンを育むための活動を推進する。(優先事項3から移動)5. 既存の関係を強化し、ロータリーの行動計画に沿った新たなパートナーシップを築く。6. 革新的なクラブと新しい参加経路を確立し、発展させる。7. 地元と海外の地域社会におけるロータリーと会員のインパクトに対する認識と理解を高める。
 『優先事項3 「参加者の積極的なかかわりを促す」の目標』 8. 会員のニーズに応え、会員維持率を高めるためにクラブを支える会員参加のためのツールを充実させる。(入会後1年以内に退会する会員の数を減らす。が削除)9. 参加者、特にロータリークラブとローターアクトクラブ間の協力とつながりを強化する。10. 職業上のつながりを育み、リーダーシップスキルを養うためにロータリーを通じて提供される機会を紹介する。
 『優先項目4 「適応力を高める」の目標』 11. より大きな協力と運営効率を促進するための革新的なアプローチを試行することにより、地域の適応力を支える。(ロータリーが提供する体験の見直しと効果を高める。が削除)12. ロータリーのリーダーシップとガバナンスにおいて、多様性、公平さ、インクルージョンを支援する。(バーチャル技術の利用。が削除)
 RI行動計画はロータリーのビジョン実現に向けた国際ロータリーと組織全体の活動を主眼にしていますが、その多くはクラブと地区のレベルにも当てはまります。  2023年10月理事会にて、制定案を2025年規定審議会に提出する。
  ・年次地区大会を開催するという要件を削除する
  ・ロータリー研究会を任意のものとするため、研究会からの報告義務をなくす
  ・正当な理由によるガバナーの解任手続を改正する
  ・会長エレクト研修セミナーと地区研修・協議会の名称を改正する
  ・人頭分担金を増額し、人頭分担金の決定方法を改正する。
  ・ゾーンの構成を決定する基準を改正する
 ご清聴ありがとうございました。ロータリアンとして切磋琢磨し豊かな人生にしていきましょう。

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